【決定版】医療業界でのRPA本格活用|事例に学ぶ
失敗しやすい点と成功のポイント
最近、 「RPA」は医療業界において業務効率化やデジタル化の進展への対処として導入が増えています。そして、これからますます活用が期待されています。
RPAについてすでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが念のためお伝えすると、RPAとはRobotic Process Automationの略であり、パソコンの定型業務を自動化するソフトウェアのことです。
ですが、そんなあなたは次のようなお悩みお持ちではないでしょうか。
・医療業界でRPAを導入したが失敗してしまった
・医療業界でRPAを使うと何ができるのか
・医療業界でRPAの導入を検討しているがどうすればよいかわからない
弊社では、多くの医療業界さんからRPA活用に関する相談をいただきます。
そのような経験からこの記事では、医療業界でRPAの運用サポート実績多数の弊社が、医療業界でRPAを導入するメリットから導入事例、RPA導入に伴う失敗やトラブルの対処法までわかりやすく紹介します。
目次
医療業界が抱える課題
現在、医療業界は、高度な専門知識と技術を駆使して人々の健康と生命を守る重要な役割を担っています。しかし、この業界も多くの課題に直面しており、特に人材依存の業務構造(属人化)とデジタル化の遅れが顕著な問題として挙げられます。
医療業界における行政手続きと文書管理の負担は、医療提供の効率性と品質に大きな影響を与えています。この分野には、患者情報の管理、保険請求手続き、医療記録の維持と更新など、膨大な作業が含まれます。これらの作業は、精度と迅速性が求められるため、医療従事者にとって大きな負担となっています。
まず、患者情報管理についてですが、これには患者の個人情報、診療記録、薬剤情報、診療履歴などが含まれます。これらの情報は、患者の治療計画や診断、保険請求のために正確に管理する必要があります。しかし、これらのデータは日々更新され、複数のシステムやデータベースにまたがっていることが多いため、管理は複雑で時間がかかる作業です。
次に、保険請求手続きです。これは、医療提供者が保険会社に対して行うサービスの請求であり、診療コード、治療費、患者情報など、多くの詳細なデータの入力が必要です。誤った情報の入力は、請求の遅延や拒否を引き起こす可能性があり、精度が非常に重要です。
さらに、電子医療記録(EMR)の維持と更新も重要です。EMRは患者の治療履歴や診療情報を電子的に保存するシステムであり、医療従事者が診療の決定を下す際の重要な情報源です。EMRの更新は、診療中にリアルタイムで行われることが多く、医療従事者の作業負担を増加させます。
医療業界における患者ケアの時間不足は、医療の質と患者の満足度に深刻な影響を及ぼしています。この問題は、医療従事者が直面する多くの課題に起因しており、その核心には時間的制約と資源の不足があります。
まず、患者ケアの時間不足の背景には、医療従事者の作業負荷の増加があります。医療従事者は、患者の診療だけでなく、行政作業、データ入力、報告書作成など多岐にわたる業務を担っています。特に電子医療記録の管理や保険請求などの行政作業は、医療従事者の時間を大きく奪っています。これらの作業は、患者との直接対話や治療に割くべき時間を減少させ、結果として患者ケアの質が低下する可能性があります。
患者ケアに必要な時間が不足している状況は、患者と医療従事者の両方に悪影響を及ぼします。患者にとっては、十分な時間をかけて症状や懸念を説明する機会が減少し、また医療従事者からの個別化された注意や治療を受ける機会も限られます。医療従事者にとっては、患者一人一人に対する深い理解を得ることが難しくなり、患者の全体的な状態やニーズを見逃すリスクが高まります。
また、医療従事者のバーンアウト(燃え尽き症候群)も患者ケアの時間不足に拍車をかける要因です。過重な業務負荷と長時間労働は、医療従事者の精神的、肉体的健康を脅かし、結果として患者ケアの質が低下します。バーンアウトは、集中力の低下や意思決定能力の低下を引き起こし、患者への適切なケア提供に影響を及ぼすことがあります。
さらに、医療機関の人員不足や資源の不足も、患者ケアの時間不足に寄与しています。特に、地方や農村地域では、医療従事者や医療設備の不足が顕著であり、患者一人一人に十分な時間を割くことが難しい状況にあります。このような状況では、患者の満足度低下や医療の質の低下が懸念されます。
医療業界におけるコンプライアンスの遵守は、患者の安全と医療の質に直結する重要な課題です。コンプライアンスとは、医療従事者や医療機関が、法規制、業界基準、倫理的指針に従って行動することを意味し、これには多くの複雑な側面があります。
この分野での主な課題は、まず法規制の複雑さとその頻繁な変更にあります。医療業界は、患者のプライバシーを保護する法律(例えば、HIPAA)や、医薬品の使用に関する規制(例えば、FDAの規制)など、多数の法規制に縛られています。これらの法規制は国や地域によって異なり、定期的に更新されるため、最新の情報を常に把握し、適応することが求められます。
加えて、情報技術の進展に伴い、データセキュリティとプライバシーの保護は一層重要になっています。電子医療記録の普及や医療情報システムの進化により、患者データの安全性を保つことが医療機関にとって重大な責任となっています。データ漏洩や不正アクセスのリスクを最小限に抑えるためには、医療機関が最新のセキュリティ対策を講じることが不可欠です。
保険請求プロセスにおける正確さと透明性の確保も大きな課題です。不適切な請求は、不正行為と見なされ、法的制裁や評判の損失につながる可能性があるため、医療機関は保険請求に関連する法規制を遵守し、内部コントロールを整備することが重要です。
倫理的な課題も無視できません。患者の同意、治療の選択、末期ケア、臨床試験など、医療従事者は日々、倫理的な判断に直面しています。これらの判断は患者の権利と安全を守る上で非常に重要であり、適切な倫理的指針の遵守が必要です。
さらに、医療従事者の教育とトレーニングは、コンプライアンスの遵守において不可欠な要素です。法規制や業界基準の変化に対応するためには、定期的な研修や最新情報の共有が欠かせません。
以上のように、医療業界は大きな課題を抱えています。これらの課題に対応するためには、業界全体での取り組みや新しい技術の習得、教育体制の見直しなどが求められています。
次の章ではこうした課題を解決するため、医療業界がRPAを導入するメリットについて説明します。
医療業界がRPAを導入するメリット
以前の章では、医療業界の現状の課題について説明しました。ここでは、こうした課題を克服するために、RPAを導入することで得られるメリットについて代表的なものを取り上げます。
医療業界でのRPAの導入は、多くのメリットをもたらす中でも、特にヒューマンエラーの削減に大きな効果を発揮します。ヒューマンエラー、つまり人的ミスの減少は、医療サービスの質の向上、患者の安全の確保、医療コストの削減など、多方面にわたる利点を提供します。
まず、医療業界においてヒューマンエラーは、診断ミス、治療の誤り、薬剤の誤投与、患者データの誤入力など、患者の安全に直結する重大な問題を引き起こす可能性があります。RPAを導入することで、これらのミスを大幅に削減できます。例えば、患者情報の入力、ラボ結果の記録、処方箋の発行などのプロセスを自動化することにより、データ入力の誤りが減少します。これにより、正確な情報に基づいた適切な診断と治療が可能になり、患者の安全が向上します。
次に、医療業界では、保険請求や患者記録の管理など、複雑で時間を要する行政作業が頻繁に発生します。これらの作業には細心の注意が必要であり、人的ミスは訴訟リスクやコンプライアンス違反を招く恐れがあります。RPAを活用することで、これらのプロセスが標準化され、誤りのリスクが最小限に抑えられます。これにより、医療機関は法規制の遵守を確実にし、患者の信頼を維持できます。
また、ヒューマンエラーの減少は医療コストの削減にも寄与します。人的ミスによる診断の誤りや治療の遅れは、追加的な治療コストや延長される入院期間を引き起こす可能性があります。これらの余分なコストを減らすことで、医療機関はより効率的に運営され、患者に対しても経済的な負担を軽減できます。
さらに、医療従事者のバーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐ効果も期待できます。医療従事者は、極度のストレスや疲労によりミスを犯しやすくなりますが、RPAによる自動化によって、繰り返しの単純作業から解放され、より専門的な医療活動に集中できるようになります。これは従業員の満足度の向上とプロフェッショナリズムの維持につながります。
RPAの導入はまた、医療データの整合性とアクセシビリティを向上させます。自動化されたデータエントリーシステムは、データの一貫性を確保し、必要な情報が迅速にアクセス可能になります。これにより、医療従事者は患者の診断や治療計画を迅速かつ正確に行うことができるようになります。
このように、RPAの導入によるヒューマンエラーの削減は、医療業界におけるサービスの質の向上、患者の安全の確保、コスト効率の改善に大きく貢献します。これらのメリットは、患者の満足度の向上、医療従事者の働きやすい環境の創出、そして医療機関の全体的な運営効率の向上につながります。
思い返してみてください。今まで定型業務に追われていたためにできなかった、もしくはおろそかになってしまった業務はいくつあったでしょうか。
医療業界がさらに発展していくには、人間が本来やるべきこと、人間にしかできない複雑な業務ことにこそ、「人間の時間」を費やすことができる環境を整備すべきです。
例えば、新規顧客を獲得するための活動、クライアントの経営課題や労務管理の問題点を洞察するコンサルティング業務、法律の解釈と応用、既存顧客の満足度を高めるためのフォロー活動などです。
もしかしたらパートスタッフの方の役割も、作業そのものではなく、RPAがアウトプットしたものを人の目で確認することに重きを置くようになるかもしれません。
これからの医療業界において人間は、より付加価値の高い業務、クリエイティブな業務、顧客や従業員の満足度を高める活動などにこそ、より多くの時間を使えるようにするとよいと考えます。
医療業界でRPAを導入する大きなメリットの一つとして、24時間体制での稼働が挙げられます。RPAは疲れることなく、休憩や休日を必要とせず、24時間連続して業務を遂行できるため、医療業界における効率とサービスの質を大きく向上させることができます。
この24時間稼働の最大の利点は、医療業界におけるリソースの有効活用です。医療機関は、患者の診療や緊急事態に迅速に対応する必要があるため、特に夜間や休日においても、常に高いレベルのサービスを提供する必要があります。RPAを導入することで、これらの時間帯における行政的な業務や繰り返し作業を自動化し、医療従事者がより患者ケアに集中できる環境を作ることができます。
例えば、患者情報の入力、診療記録の更新、検査結果の登録、薬剤の管理など、これらの作業はRPAによって24時間稼働で自動化されることにより、医療従事者は夜間でも緊急時においても、より迅速に患者のケアに専念できます。また、保険請求や請求書の処理などの行政作業も、時間に関わらず継続的に処理されるため、業務の滞りを防ぎ、効率的な運営に寄与します。
さらに、RPAはエラーの発生が少なく、一貫した品質を維持するため、24時間体制の稼働によって、医療サービスの全体的な品質と安全性を向上させることができます。例えば、薬剤の投与量や患者のアレルギー情報など、正確なデータ管理は患者の安全に直結するため、これらの情報を正確に、かつ迅速に処理することは非常に重要です。
また、24時間稼働するRPAの導入は、医療機関のコスト削減にも寄与します。従来、夜間や休日の業務は追加の人件費を伴うことが多かったですが、RPAの導入により、これらのコストを削減することが可能になります。また、24時間稼働による効率的な業務遂行は、医療機関の全体的なサービス提供能力の向上にもつながります。
RPAの24時間稼働は、医療従事者の働き方にも大きな影響を与えます。繰り返し作業や行政的な業務から解放されることで、医療従事者はより専門的な業務に集中できるようになり、患者との対話や治療計画の策定、研究活動などにより多くの時間を割くことができます。これにより、医療従事者の職業満足度の向上とバーンアウトの防止にも寄与すると期待されます。
医療業界におけるRPAの導入は、デジタル化の推進と活用に関して多大なメリットを提供します。このデジタル化の進展は、効率性の向上、データの活用、プロセスの最適化、そして患者ケアの質の向上に寄与します。
まず、RPAの導入は医療業界における業務プロセスのデジタル化を加速します。例えば、患者データの入力、電子医療記録への情報の統合、診療記録の更新、保険請求書の処理などの繰り返し行われる行政作業は、RPAによって自動化され、時間とリソースの節約につながります。これにより、医療従事者は行政作業から解放され、より重要な臨床的な判断や患者との対話に集中できるようになります。
次に、デジタル化の推進はデータの活用を強化します。RPAは、患者データの収集と整理を自動化し、そのデータを分析可能な形式で提供することができます。これにより、医療従事者や研究者は、より精度の高い診断支援、治療計画の最適化、疾患の予測、治療成果の分析などにデータを活用することができます。さらに、大量のデータを効率的に処理することで、人工知能(AI)や機械学習アルゴリズムを活用した先進的な医療技術の開発にも寄与します。
また、RPAの導入により、医療プロセスの透明性と追跡性が向上します。自動化されたプロセスは、手順の標準化と記録の整合性を提供し、エラーの追跡や品質管理が容易になります。これにより、医療機関はコンプライアンスの遵守を強化し、患者の安全と治療の品質を確保することが可能になります。
さらに、RPAの導入は医療従事者のデジタルスキルの向上にも寄与します。自動化技術を日常業務に統合することで、医療従事者はデジタルツールやシステムに慣れ、より効果的にこれらを活用する能力を身につけます。これにより、医療従事者は最新の技術を利用して患者ケアを改善し、医療サービスの質を向上させることができます。
RPAの導入によるデジタル化の推進は、医療機関全体のコスト削減に寄与します。自動化による効率化は、人件費の削減、紙ベースのプロセスの削減、そして運営コストの低減をもたらします。これにより、医療機関は資源をより効果的に活用し、患者ケアの質を高めるための投資にリソースを再配分することが可能になります。
あなたの会社でも過去に従業員の退職による補充採用、新人への教育を行ったことがあるかもしれません。
ところがRPAを導入することで、対象業務を担当していた従業員が退職するときなどに、慌てて補充採用をする必要がなくなります。また、新人さんが習得すべき業務範囲が狭まり、さらに一から業務を教え込む必要もなくなります。これにより、教育期間や必要な教材、トレーニングのコストが削減されるとともに、新人が業務に慣れるまでの期間も短縮される可能性があります。
新人さんに業務を教えるのは、たいてい人件費の高い仕事ができる人です。その人の人件費や時間を、退職者が出るごとに繰り返しかけ続けるのはもったいないです。
あなたの会社でも人手不足への対応を採用だけで埋めるのではなく、これからは省人化・自動化を検討してみてはいかがでしょうか。
これらのメリットから、医療業界では多くの企業がRPAの導入を検討しています。次は、RPA導入を検討し始めるタイミングについて説明します。
医療業界がRPA導入を検討し始めるタイミング
ここまで医療業界が抱えている課題、そしてそれを解決するために、RPAを導入することで得られるメリットについて説明しました。こうしたメリットから、医療業界においてRPAは多くの企業に注目されております。
それでは、医療業界がいざRPA導入を検討し始めるきっかけ、タイミングはいったい何なのでしょうか。RPAを導入するタイミングとして実際には以下のような医療業界が多いようです。
【医療業界がRPA導入を検討し始めるタイミングの例】
・電子カルテを導入したとき
・業務プロセスが複雑化してきたとき
・パソコンへの入力作業が増えてきたとき
・事務作業の負担が増えてきたとき
・業務の一部をアウトソーシングしているが、コスト削減を図りたいとき
これらはもちろん企業によっても異なりますが、RPA導入を検討し始めるのは、ITに詳しい人材がいないという理由で、人員が増えてきたタイミングであること、または仕事量が増えてきたことが多いです。
さて、ではRPA導入をした後にどのような業務を自動化しているのでしょうか。次の章では事例を出してみていきましょう。
医療業界においてRPAで自動化されている業務の事例
RPA導入を検討したのち、導入をした企業は実際、多くの業務を自動化しております。
それでは、具体的にRPAで自動化されている業務には、どのようなものがあるのでしょうか。
以下はRPAで自動化されている業務の具体的な事例です。
【RPAで自動化されている業務の具体的な事例】
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新規患者の登録や既存患者情報の更新。
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患者の予約受付とスケジューリング。
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保険請求書の作成と送信。
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診療情報や検査結果のEMRへの入力。
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処方箋の処理と薬剤在庫の管理。
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アポイントメントのリマインダーやフォローアップ通知の送信。
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診療行為に対する適切な医療コードの割り当て。
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検査結果のEMRへの入力と整理。
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請求書の発行、支払い追跡、未払い請求の管理。
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医療機器や消耗品の在庫監視と補充。
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患者の健康保険の有効性の確認と更新。
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コンプライアンスに関するレポートの作成と送信。
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診療報酬の計算と調整。
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患者満足度調査の配布と結果の集計。
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最新の診療ガイドラインや医療情報の通知。
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他の医療機関への患者紹介処理。
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臨床試験に関するデータ入力と追跡。
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従業員の出勤状況やシフトスケジュールの管理。
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医療用品の注文、受領、請求書処理。
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医療関連の法規制やポリシーの文書更新。
あなたの会社でも同じような業務がある、あるいは取り入れたいという業務はありませんか。ここで、自動化する対象業務を明確化するために、あなたの会社の中で自動化するための対象業務を洗い出す必要があります。
それでは、RPAで自動化するための対象業務の洗い出しのやり方について見ていきましょう。
業務の洗い出しをしよう
前章の「医療業界でRPAで自動化されている業務の事例」では医療業界がRPAで自動化している業務の事例にについて取り上げました。
さて、それではこれらの事例ももとに、自分たちの会社で「自動化できそうな業務の洗い出し」をしていきましょう。
もし「洗い出ししたけどRPAの導入に失敗した」という方もいましたら、ここでもう一度、業務の洗い出し方について確認してみてください。
業務の洗い出しはまずバックオフィス業務を確認して、そしてその中から「定型業務」を見つけていきます。
では、順を追って説明します。
まず、自動化できそうで洗い出したい業務は、バックオフィス業務の中から見つけていきます。
ここでいきなり「バックオフィス業務って何?」という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明します。
バックオフィス業務とは、「基本的に顧客とやり取りを交わさず、社内で完結する業務」のことです。つまり、従業員が円滑に業務を遂行できる環境を整えたり、企業活動を健全に行うための仕組みづくりや事務手続きなどが、バックオフィス部門の主な業務です。
バックオフィス業務は、企業活動の根幹である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という経営資源を管理する役割を担っており、経営と密接に関係しています。
バックオフィスが強化されることで、企業が持つ経営資源を最大限に活用することができ、業務改善や生産性向上の実現、さらにはより精度の高い経営判断にもつなげることができるため、重要です。
ですが、少ない担当者数で膨大な業務量をこなさなければならず業務負担が大きいこと、属人化してしまいやすく、ミスや不正が発生するリスクが高まるなどの課題があります。
そこで、バックオフィス業務をRPAで効率化することで、コスト削減、ヒューマンエラーの防止、生産性を向上させることができます。
医療業界のバックオフィス業務は、患者ケアの直接的な面以外で医療機関の運営を支える重要な役割を担っています。これには、財務管理、人事、施設管理、ITサポート、患者記録の管理、予約システムの運用、請求処理、コンプライアンスの遵守、リスク管理、サプライチェーン管理、マーケティングなどが含まれます。これらの業務は、医療サービスの品質、患者満足度、効率的な運営に直接影響を与え、医療機関の全体的な成功に寄与します。
1. 管理と運営
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財務管理: 予算計画、経費管理、財務報告。
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人事管理: 採用、トレーニング、従業員評価、給与計算。
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施設管理: 施設の維持管理、安全基準の維持。
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IT管理: 情報システムの管理、データセキュリティの確保、技術サポート。
2. 患者関連サービス
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患者記録管理: 電子医療記録の管理、患者データの保守。
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予約管理: 患者の予約スケジューリング、キャンセルや変更の対応。
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患者通信: 電話、メール、オンラインポータルを通じた患者とのコミュニケーション。
3. 財務業務
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会計: 収入と支出の記録、会計報告。
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請求と請求書処理: 医療サービスの請求、保険請求、患者からの支払い処理。
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資産管理: 資産の購入、廃棄、在庫管理。
4. コンプライアンスとリスク管理
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法規制遵守: 医療関連法規、プライバシー法、労働法の遵守。
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リスク管理: リスク評価、対策計画の策定、保険管理。
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監査と品質保証: 内部監査、プロセスの品質管理、改善計画の実施。
5. サプライチェーン管理
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購買: 医療用品、薬品、機器の購入。
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在庫管理: 在庫の監視、注文、在庫補充。
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ベンダー管理: サプライヤーとの契約管理、交渉。
6. マーケティングと広報
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マーケティング戦略: サービスのプロモーション、市場分析、キャンペーンの計画。
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コミュニケーション: メディアリリース、公式声明、ソーシャルメディア管理。
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パブリックリレーションズ: コミュニティへの関与、イベントの計画、ステークホルダーとの関係構築。
このように医療業界のバックオフィス業務は、多岐にわたっていることが分かります。
これらが自動化されれば今まで失った多くの時間と人員を削減できると思いませんか。
もちろん、中には人間の目が必要なので、自動化できない個所もあります。
ですが、「RPAを導入するメリット」の章で述べたように、レポート分析など自動化できそうなところはRPAに任せることで、人は人でなければできないことに時間を当てられ、集中することができます。
このように、バックオフィス業務を確認することは重要です。
あなたの会社でも一度、バックオフィス業務の流れについて書き出してみるとよいでしょう。
さて、医療業界のバックオフィス業務の流れについて確認したところで、次にこれらの中から「定型業務」を見つけていきましょう。
ここでも、「そもそも定型業務って何?」という方もいらっしゃると思うので例をあげてみていきましょう。
「定型業務」とは、一定の手順やルールに基づいて繰り返し行われる業務のことを指します。弊社では、 「誰がやっても同じ結果(アウトプット)になる業務」と説明しています。
思い返してみてください。あなたが経験してきた業務のなかで、「ちょっと面倒だな」「ほかの人でもできそうだな」と思った業務はありませんでしたか。
それはほとんどの場合、「定型業務」です。それらは、一定の手順やルールに基づいて繰り返し行われる業務なので誰がやっても同じ結果になるため、RPAで自動化できるのは定型業務であるというわけです。
定型業務は一般的に簡単で単純な作業であることが多いです。
ですが簡単で単純な作業でも、人間が繰り返し行っていると当然ミスも発生します。
なので、自動化できる業務は自動化してしまい、人は人にしかできない別の業務に時間を振り向けて生産性を上げていこうという考えて、多くの医療業界がRPA活用に乗り出しているのです。
それでは、これらも参考にあなたの会社の定型業務を洗い出してみましょう。
その際、弊社の【自動化業務洗い出しシート】を使うと便利です。また以下ボタンの「費用対効果を計算方法」ではこのシートを用いて解説しています
RPA導入後の失敗パターンと対処策
さて、前章では、業務の洗い出しおよび費用対効果の計算例について説明してきました。
ここまで聞くと、「RPAの導入はいいことだらけだ」「費用対効果が良ければ問題なく導入できる」と、そう思いませんでしたか。
ところが、実際多くの企業はRPAを導入した後にさまざまな課題に直面しています。RPAは導入してからが本当のスタートなのです。
ここでは、RPAを導入した後に直面する医療業界の失敗パターン、および対処策について説明します。
「RPAを導入したけど、作業する時間がなくて断念してしまった。」
弊社に相談いただく企業のなかにもこのような理由でRPAの導入に失敗してしまった企業があります。
実はこれは、医療業界においてRPA活用を進める上でほとんどの企業につきまとう課題です。
確かに、医療業界では繁忙時期に作業時間を一時的に確保できないことはあるでしょう。しかし、普段の仕事の中での優先順位が低いと、恒常的にRPAに触れないということになってしまいます。
特に何かと忙しく、余剰人員もほとんどいない中小企業にとっては、暇な時間ができたら触ろうとしても、暇な時間はほとんどありません。
弊社ユーザーの担当者には、「いつ作業するか」を決めて、その時間は極力ほかのことはやらないようにしている人もいます。
そのためには組織的な理解と協力も必要ですので、できれば経営陣からその理解を促進していただきたいと思います。
医療業界の現場では、RPA活用に関して「任せられる人がいない」といったこともよく見受けられます。それは、多くの医療業界にとって、RPAやデジタル技術への移行は大きな文化的変化を必要とし、従来の方法とプロセスに慣れ親しんでいる従業員は、新技術への抵抗感を示すことがあるためです。技術の導入に伴う仕事の変化や、場合によっては職を失うかもしれないという不安が、組織内の抵抗を生む原因となることがあります。
もしRPAの担当者が決まっても、うまくいかない状況が続くと、担当者は「うまくいかない自分が悪い」と思ってしまい、RPAから気持ちが離れてしまいます。そしてほかの仕事を優先しシナリオ作成作業に時間を使わず、サポート企業に相談することもなく、新規プロジェクトが頓挫してしまうのです。
RPAは組織的に取り組む方が中長期的に成功しやすく、モチベーションを維持してくれる仲間の存在も励みになるので、
「困ったときに相談できる、助けてくれる人がすぐ近くにいる」
という状況をつくってあげることが大切です。医療業界ごとに、専任のサポートチームや外部のコンサルタントと連携をとることで、RPAのノウハウを共有し、適切なサポートを受ける体制を整えることが重要です。
「どうせRPAを導入するなら、ツール選定に失敗して導入後にツールごと入れ替えるということはなるべく避けたい」と、多くの方が思われていることと思います。
ですが、残念ながら自社業務に合わないRPAツールを選定してしまうというケースもよくあります。
医療業界がRPAツールを入れ替えた理由は以下の2つが大半を占めます。
「自社の自動化したい業務に対応できないツールだった」
「サポートが十分ではなかった」
そもそもシステム同士の相性が悪かったり、機能が不足していたりすると、どれだけ頑張っても自動化できないことがあります。
そこで、ツール選定に失敗して費用と労力の無駄を避けるためにも、
「機能の充実」「使いやすさ」「サポート内容」
この3つの観点で選ぶことが重要です。
特に「機能」に関しては、オンプレミスの基幹システム、Excel、クラウドツールなどに幅広く対応できるツールがどうかも確認しましょう。
「具体的にどのような基準で確認すればよいかわからない」という方は以下の【ツール選定の小冊子(チェックリスト付き)】を参考にしてみて下さい。RPA販売業者に質問する際に活用いだだけるとよいかと思います。
また、クライアントのRPAエラーについてなどの要望を1つ1つすべて聞くのは時間制約もある中でとても大変です。ですがそのようなケースでも、弊社が責任持ってRPA運用をサポートいたしますので、もし少しでも不安を抱えているのであればぜひ弊社にお任せください。すでにRPA導入している方、これからRPA導入を検討している方、どなたでもご連絡お待ちしております。
弊社は多くの医療業界さまのサポートをさせていただいております。以下のボタンから弊社の取り組み、また他社との違いについて紹介していますので、ぜひご覧ください。